櫻春風花ーかざはなー

陸章:騒がしい朝

パーン――

「ヤァー――!」


――パンッ

パシンッ!


「一本!そこまでっ!」




今朝も、相変わらず新選組屯所の道場には、朝稽古中の男達の掛け声が響いていた。



パシン!
――パシンパシン!


ダンッ


「くっ……」


「もうへばってんのか?
そんなんじゃ隊務遂行できねぇぞー!」


「はいっ!」


「はいもう一回!」


「お願いしますっっ!」










ただ、昨日と違うのは、
その中に金髪の少女が加わっていることだ。
小さな体に不釣り合いな、太い木刀をしっかりと握りこみ、永倉の指導を受けている。









< 56 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop