真宮ゆずはあなどれない。


「……なに、もういっかいする?」


「っ……!!?」


「俺の部屋でさ、そんな顔近づけてくるのが悪いんだぞ。言っとくけど俺は見た目ほど草食じゃないから」



発言!!!

発言が、おかしい!!!


一人称、俺になってるよ!?


混乱を極めるあたしの横に、立ち上がった柾樹が躊躇もなく腰を下ろす。


その顔は相変わらずしれっとしているけれど、いつものような無愛想というよりはほんの少しだけ穏やかな表情に思えた。



「俺は波風立てない学校生活が送りたかったから、これまで勉強だけして過ごしてきたわけだけど」


「は、はい」


「あんたが現れてから、それがまるっきり変わった。毎日毎日、それこそ台風みたいにやって来てさんざん色々撒き散らして帰っていく……そんなヤツ、俺の周りには今までいなかった」



なんという言われよう。


あれ?

もしかしてあたし、今、けなされてる???

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