恋愛イデアル。
冬空への帰還。
冬空への帰還。

イデアルは通学路を歩く。
橘や長月遥と。

冷えた朝に。
「缶ココアでも飲まないか」とイデアル。
女子高生だ。
「悪くないわね」と長月遥。

自販機で、缶ココアを購入する。
暖かい金属の缶。

イデアルはふと再び季節が巡るのを感じ、そして水守市の悠久の歴史を感じ、さらに鳥の鳴き声を感じた。
だから、あたしはここにいる。とイデアルは感じた。悠久の歴史を感じる、ということ。

世事から離れて。
そして、イデアルはそれが想像の起源ではないかとも感じたのだった。
おそらく、この世界のなかに我々はいるとは限らないのだろう。そして、イデアルはそれこそが帰るべき場所だとも感じた。
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