恋愛イデアル。
となりに彼女がいる幸せ。
となりに彼女がいる幸せ。

イデアルと俺、長月遥はのんびり街歩き。高校生だ。
少し空が冷えている。商業地区だ。
イデアルと手をつなぐ。

寒気だった。
「冷えるなあ」とイデアル。

手をはなす。彼女は振り返る。

「なぜ空を見ない?」とイデアル。

長月遥はにっこりと反証した。

「桜草、綺麗でしたね」
「ふむ」

イデアルはうなづく。

「あまり難しいことは考えなくてもいいことのひとつです」とそう長月遥がいう。

「難しいことか」

空を風が吹いていた。

その風さえも難しいことなのだろうか?
平成三十一年四月二日、シベリア高気圧の南下により日本の上空では寒気が入り込んだのである。
そしておそらく、そのシベリア高気圧は成層圏までも熱のやりとりをするのだ。
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