恋愛イデアル。
桂馬議論。
桂馬跳ねでイデアルは長月遥の攻勢を凌ぐ。ボードゲーム。将棋。春の教室。

「そういえば、将棋にしてもボードゲームには長い歴史がありますよね」と長月遥。

「ああ。
戦力集中といったアイデアも将棋経由だしな」とイデアル。

「ランチェスター二乗ですよね?」
「そうそう」とイデアル。


ランチェスター二乗というのは数量比は二乗で効いてくる、というアイデアだ。


リンネはおやつのポテトチップスを食べている。
お茶だ。

「しかし戦術幾何だけが将棋やボードゲームの全てではないだろう?
クラウノゼウスが言うとおり、第一に『戦争は外交的目標を達するため』なのだから」とリンネ。

「そうだな」とイデアル。
長月遥はしばらく長考。

「しかし答えは出ず、でしょうね」と長月遥。
「ああ。
たぶんだが、それは究極的には他人の心が分からないためだ。

第一に外交や戦略こそが戦術をよく説明するのだから」とイデアル。
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