365日のラブストーリー
『見合いから成就するパターンが、それに近いね』

 Renは有紗と同じ年齢の女性の、縁談からの成婚率を見せてきた。もともと結婚したいという意思があってそういう機会を持つからなのか、確率は想像よりも悪くない。

『あのね、Ren。こういう人が好みとか、自分の中にあったの。だけどそういうのを追い求めてたら誰とも付き合ったりしないまま、ずっと一人なんじゃないかって思って。

だったら、よくわからないまま付き合うことになっちゃってるけど、このままどうにか頑張ったほうがいいのかなあって』

『頑張った先はどうするの?』

 ……結婚? 今はとても考えられない。千晃が悪い人間だとは思わないが、あまりにも知らなさすぎる。それに心暖の存在もある。今はただ可愛いと思うだけでも、結婚すれば母親にならなくてはいけない。

『Alissaは付き合うことと結婚を別で考えられないはずだよ。恋愛経験として、なんて器用なことはできない』

『そうだよね』
 考えていたことの一歩先に踏み込んだ意見に、有紗は深く頷いていた。
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