あまいあまい、チョコレートあげる







「遥瀬、バレンタイン誰かにあげるの?」



中庭についてから、やっとあたしのお弁当箱が返ってきた。



ちゃっかり自分の分のお昼まで持ってきてるから……湊川も一緒に食べるのだろう。



階段に座ると、すぐ隣に座ってくるから、右側へと逃げた。人ひとり座れるほどの空間ができる。



「あげないよ」



卵焼きを口に運びつつ答える。



「ふーん」



湊川はというと……大きく口を開けて、真っ白なお米を食べていた。



「なんでそんなこと訊くの?



自分が女の子たちにもらえるから、世の中の女の子たち全員が、誰かにあげると思ってる?」



「まさか」



湊川はケラケラ笑ったけれど、もらえることについては否定しないんだなと、じとっとみつめる。
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