君の言葉は私を刺す
笑いかけると2人は嬉しそうに教室を後にした。




私はギターを手に、ノートを広げた。




はぁ、、、、、、、




全然上手くいかない。




何もかも上手くいかない。




歌詞も書けない。




メロディーも出来ない。




お母さんの上手くいかない。




波人と、上手くいかない。




はぁーーー、何してんだろ。




ボールペンを置いて私は項垂れた。




「、、、、、、もう、嫌になる。」




全部全部。




「、、、、、、寝てんの?」




「、、、、、、寝てない。、、、ん?」




私は後ろを振り向いた。





「えっ!?なんで波人いるの!?」




そこには水泳部のジャージを着た波人の姿が。




「忘れ物取りに来たら、微妙なギターの音が聞こえたから。」




ドラムを触ってみたり、キョロキョロしながら波人が言う。




微妙、か、、、




確かにね。




今の私には波人がいて嬉しいという気持ちより、この憂鬱な気持ちの方が大きくて、また机に項垂れる。




すると波人が私の机の前にしゃがんで、私の顔にかかった髪をよけて、




「つまんない顔。、、、、、、でも、俺と同じ目してる。」




< 61 / 177 >

この作品をシェア

pagetop