クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!

「わかりました」
仕事なら粘るけど
ここまで言われて粘る理由はない。
どんなに条件が良くてもこれはダメでしょう。性格が悪すぎる。こんな上から目線の男が義理の弟になるなんてゾッとする。はい破談決定!ごめん妹。

「色々と失礼しました」
相手の目を見てそう言うと、長田さんはメガネの奥で目を光らせる。
目力ありすぎなんですけど。
威圧感半端ない。

「では、失礼いたします」

「ちょっと待って」

「はい?」

「妹はどうでもいいけど、君と付き合いたい」

「えっ?」
開いた口がリアルでふさがらない状態。
今、何て言いました?

「俺と付き合って結婚しよう」
サラッと今日の天気を言うように長田さんはそう言った。

「ありえません」

「なぜ?」

「初対面だし」

「お見合いってそんなもんだろ?」

「私は代理だし」

「恋人いるの?」

「いません」

「だろうね」

もう
どこから突っ込んでいいのかわからない。
頭が混乱してしまう。
待って、ちょっと待って
頭を整理しよう深呼吸しよう。
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