クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
「手は出すなよ」
「キスぐらいは想定内で」
そんな会話をしてるけど
それって私の事だよね。私の意志は無視ですか?
長田さんは立ち上がり際、スッと静かに私に近寄り頬にキスをした。あまりにも突然で顔が真っ赤になってたら、今度は大下さんがガードするように自分の胸に私を強く抱き寄せる。
「次は唇にする」
「僕が先にね」
「10秒以内に彼女を離せ」
「君が店を出たら離す約束をしよう」
大下さんに抱かれながら心臓がまたドキドキと加速中。アルコールのせいと思いたい。
大下さんは約束通り長田さんが店を出たら、私を解放してくれた。
王子様は紳士だった。
「急にごめん。痛くなかった?」
「大丈夫です」
「かなり飲みましたね。玲菜さん強いな」
「いえ……そんな……」
長田さんからのキスと大下さんの胸に抱かれていた事実に、一気に緊張がやってきた。