クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!

「すいません」
しゅんと謝りながら小さくなる。
そんな私の頭をくしゃっと撫でてくれる大下さん。

「触るな大下」

「ごめん。つい可愛くて」

長田さんと大下さんの距離が急接近してる気がする。
じーっと見てたら二人も私を見つめる。

「仲良しですね」
手を止めて思わず言うと

「ぜんぜん」
「ありえない」
って返事が返る。
いや仲良しでしょう。
いっそ二人で付き合ってもいいんじゃない?
BLってやつで絵になるよ。

「食べながら聞け、大下と協定を結んだ。抜け駆け禁止で互いに同じ日数を玲菜と過ごす。三人で会う時間も月に一度は作る」
威圧感溢れる上から目線の言い方だけど、彼の手は世話焼きさんなのか、取り皿を使って私の前にせっせと料理を運んでくれる。口調と行動が逆で優しい。

「最初はお友達からスタートしましょう。お付き合いする中で、玲菜さんが僕達のどちらかを選んでほしい。選ばれなかった方はそこで綺麗に手を引きます」

なんだか
勝手に決められてばかりで、納得いかない気もする。

「私が……どちらも選ばない可能性もありますよね」
小声で聞くと『ありえない』って表情でガン見された。

その自信はいったい
どこからくるのだろう。
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