クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
「玲菜さんは食べ物の好き嫌いはありますか?」
「いえ、特にありません」
何でも食べるタイプで香辛料も大丈夫。
「旅行は好きですか?ヨーロッパ方面には行った事ありますか?」
「ヨーロッパは残念ながらありません。友達と台湾とシンガポールに行きました」
元カレとグアムに行ったのは言いません。
「ある程度は、案内できると思います。有給は取れますか?」
食前酒を手にした大下さんが私にサラッと語り出す。
キャンドル越しに見る顔はイケメン度数が上がってた。
「今の季節は乾いていて、少し肌寒いかもしれませんがいい季節です。意外と英語も通じますし一緒に歩きたい場所もあるので」
「はい?」
「来月また仕事で行くので、もしよければ一緒に行きましょう。当然ファーストクラスで部屋もスイートにします」
「ヨーロッパに?」
「はい。仕事は最小限に抑えて玲菜さんと一緒に過ごしたい」
「あまりにも急なお話で、何て答えればいいのか……」
「『行きます』で、いいでしょう」
癒し系王子様は強引すぎる。さすが御曹司、いや感心している場合じゃない。
「いやそれは……その……」
「他の場所がよければ他にします。キリバスもいいですね。アンギラもゆっくりできます」
どこ?それはどこですか?