クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!

女子達はさりげなく目線を向けると、そこには気だるそうにグラスを傾けて立っているイケメンがひとり。

ブラックグレーのスーツに淡いピンクのネクタイとポケットチーフ。大安吉日の土曜日なので、結婚式も多くて彼も結婚式の帰りなのだろう。

背が高くてスタイルがよくて
柔らかそうな髪とスクエア型のメガネが似合っている。
髪……少し切ったんだね。

長田夏輝がそこに立っていた。

しばらく忙しいって言ってたのは、仕事とプライベートも忙しかったんだ。
連絡もないまま
急にこの場所で会うと驚いてしまって、どうしていいのかわからない。

「レベル高そう」
「遊びなれてる独身主義じゃない?」
「わかるー。玲菜はどう思う?」
「ん?……うん?」
変な返事をしながらしばらく見てると、飲み物を持った女性が長田さんの隣にすっと寄って来た。

「あー女いたー」
「やっぱりね。はいはいおしまーい」

洗練された男女。
おしゃれなビールバーのおしゃれな恋人同士。
美女は髪に上品なパールの小花を飾り、黒のドレスの胸元は大きく開き白い肌が浮かぶ。シースルーの袖には黒のレースの花が咲き、ドレスの裾は美しいドレープが膝上から後ろに流れるにつれ長くなる。足が長くて細い。シャンパンゴールドのパンプスが似合ってる。

ふと自分の服装をチェック。
ごくごく普通の結婚式のお呼ばれドレス。
露出度が少ない膝下のネイビーのパーティードレス。

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