ヒマワリ
窓の外はすっかり暗い。

裸電球の頼りない光に照らされて男はまだ玉を磨いている。

ふと顔を上げ、窓の外を見た。

「あれ、もうこんな時間かぁ。
 遅くなっちゃったね、送るよ」

そう言って香奈のほうを見る。

香奈はそれにも気づかす、真剣な表情で携帯をいじっている。

かすかに聞こえるゲーム音。

「いしょ、……ん、……ああっ、ラスボス手前でっ!」


やっぱ、飽きたらしい。
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