羊かぶり☆ベイベー
2人の会話の内容は気になる。
しかし、その前に居たたまれない。
引き返そうとしたとき。
「は?何それ」
人が怒っている声。
低くて、唸るような。
思わず、足が止まる。
「やだ、先輩。そんなに怒らないでくださいよぉ。ただ私は経理と営業、あんまり接点無いのになぁ、って思っただけです」
絶対、違う。
間違いなく、皮肉を言っていた。
だからと言って、私は別に気にしないけれど。
事実だから。
でも、気にならないで居られた理由は、そもそも別にあった。
「確かに接点は少ないし、大人しいけど。俺のこと、めちゃくちゃ気遣ってくれる良い人だよ」
ユウくんが私を庇ってくれていることに、驚きを隠せないでいる。
そりゃ、付き合っているのだから、当たり前のことなのかもしれないけど。
まさか彼が、私のことをそんな風に見てくれていたとは、思わなかった。