ユニフォームで豹変する彼
「優佳〜かっこいいじゃん」
「ユニフォーム姿やっぱりいいね」
二人が話かけてきたが優佳は黙っている
(何か違う、最初と別人みたい、梓はわかんないのかなー)
「ちょっと初めて見た時と違うね」
「あっ、梓も思った?なんかすごい違和感なんだけど……」
「私は最初がわかんないけどさ、試合後だから興奮してるとか」
夜
優佳の部屋、携帯に新規登録をしてメールも入れた
''よろしく~''
バレマガを開く
(ユニフォーム姿かっこよかったな〜あたし、毎日この本みてるし)
この日、修平からの返信はなかった
次の日、会場で梓に聞かれる
「昨日八塚くんから連絡あった?」
「なかったけど、メールは送っておいた」
「あっ、出てきたよ、今日土曜だからかな~応援多いよね」
修平に歓声があがる
「ファンもすごいね、優佳人気者に好かれちゃって」
「でもあれから何もないし」
「好きっていったじゃん」
「えーマジなの?優佳」
「それらしきことはまあ……」
野田工業は快勝した
「昨日の階段のとこいかないの?」
「うーん、今日人多いし邪魔になるといけないから」
「反対側にいけば野田工業の場所と近かったね、でも、でかいからわかるよ(笑)」
「あっほんとだ、もう上がってきてユニフォームを着替えてるよ」
優佳はじーっと見ていた
(格好いいかも……)
二試合目も野田工は勝利する
「明日もくるでしょ?優佳」
「来たいけど……いいかな?」
「もちろん、明日は準決勝と決勝だしもっと八塚くん出るでしょ」
「あたし、明日は朝早く来て席とっておくよ、二人は9時でいいよ、人多そうだし」
「じゃあ昼食、なんか買ってくるよ」
「うん、お願い」
朝、修平は外をみながらぼーっと電車に乗っていた
(えっ、木下さん、何で?)
隣の車両に動く
「あの」
「あっ、おはよー」
小声で挨拶する
「座る?」
修平は椅子に座った
電車の中では静かにしていないといけない
二人はしばらく無言で………
電車を降りた
「八塚くんに会うってことはあたし早すぎたのかな?」
「何が?」
「今日の試合を見たいと思って席取りしにきたの、昨日も会場いっぱいだったし、梓らは9時過ぎに来るんだけど、八塚くんは集合時間は?」
「8時」
「えっ、あと5分だよ、歩いてたら間に合わないよ」
「緊張して寝れなくて朝方ねたら寝坊した」
「大事な日に寝坊したらだめじゃん(笑)走らないと間に合わないよ、もう8時になったよ」
修平は走らなかった
「せっかく会ったから少しだけ話させて……返信ごめん、昨日帰ったの遅かったし迷惑かなと思って、朝は寝坊してバタバタしちゃって」
「いいよ、あたし全然八塚くんの事知らなくて、試合かっこいいよ、まだあんまり出てないけど今日は出るでしょ?応援するから」
修平は嬉しそうに笑う
「バレーとは関係なく木下さんのことは見てたから……試合に来てくれて嬉しい、今日大会終わったら連絡するから」
「うん二階で見てるよ、頑張って!早く走っていって、みんな待ってるよ」
「ありがとう、じゃあ」
修平が走っていく
(大事な日に寝坊するなんて(笑))