初めまして、大好きな人



カランコロンと音が鳴る。


店内を見渡すとお客さんは誰もいなかった。


「いらっしゃいませー」


元気のいい女の店員さんが顔を出す。


ポニーテールの良く似合う若い女の人。


店員さんはにこりと笑うと手で奥を示した。


「空いているお席へどうぞー」


私は窓際の一番奥の席へ腰を下ろした。


店員さんが水の入ったコップを静かに置いた。
珍しい形をしたグラスだった。


「ショコラミントでよろしいですか?」


「えっ?あ、はい」


なんで分かったの?と思ったけれど、すぐに納得する。


そっか、昨日もその前も来たんだっけ。


連続で来たらそりゃあ覚えられるよね。


店員さんが奥に消えて、私はそわそわしながら店内を見ていた。


ショコラミントはすぐに運ばれてきて、私はそれに口をつけた。


これは美味しい。


お店もお洒落で可愛いし、
通う価値のあるお店かもしれない。


うん、と一つ頷いて、私は忘れないように
ノートにメモしていった。


ここは通うことにしよう。


ここで読書をしたり、絵を描いたり、
のんびりくつろいでいたら、
もしかしたら記憶がもとに戻るかもしれないしね。




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