櫻田ファミリア
プロローグ
私はお腹が空いていた。
もう、大きな音で鳴り響くとか、獣が唸るみたいだとか、そんな領域は通り越していて、あまりの空腹に身体全身の力が抜けていくほどだった。
喉だって乾いたし、お風呂にもまる一日入ってない。
スマホの充電だって切れた。
なにより…心が疲れた。
私は、ゆっくりと地面に腰を下ろした。
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