略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
「萌ちゃんが結婚をやめたいって言ってから、正広全然ご飯を食べないのよ。どうして結婚をやめるの?」

正広の母親がうっすら涙を浮かべながら、すがるように私を見てくる。

正広を見やると、ソファーに深く座ったまま俯いていた。
まるで悲劇のヒロインかのような態度だ。

ああ、何で私はこの人を好きになったんだろう?
何がよかったんだろう?

自問自答してみるも、まったく答えがでない。

ていうかこの状況、本当にほんっとーに、面倒くさいと思うのだ。
正広だけでなく、斉藤家すべてが嫌いになりそうだ。
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