恋の餌食 俺様社長に捕獲されました

もちろんそれだけでは不十分なため、商店街共通のポイントカードを作成して売上アップを図り、同じデザインを用いた買い物袋で統一感や連帯感をもたせる。

一樹の提案は、どれも実現可能なものだ。


「みよしの商店街は、まだまだやれるはずです」


絶対に生まれ変われるはずだ。
一樹は強い意志を込め、栗田を熱く見た。


「……そうですね。やれる気がしてきました」


提案書から顔を上げた栗田の表情がパッと明るくなる。


「反対している会員はもちろん、みんなを集めて話してみます。あそこから離れたくない気持ちは、誰も一緒ですから」


最後に硬い握手を交わし、栗田は意気揚々と帰っていった。

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