代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
その時、一本の内線が鳴り響いた。
とっさに離れた体は徐々に我に返っていく。
乱れた服を直し、冷静さを戻しつつ内線に出る副社長。
何事もなかったように私も部屋を後にした。
助かった……
あのまま続いてたら……
私……自分でも止まらなかった……
あんな気持ち初めて……
なんか…怖い。
自分が…自分じゃなくなってく感じがして流される。
私も………副社長を襲ってた……!?
もう少しでネクタイを外してしまうとこだった………
ヤバイ………自己嫌悪……半端ない。
その日以降は今まで以上に仕事に打ち込んでいた気がする。
分刻みでのスケジュール管理から会議や接待の準備、先輩方とも連携を取りながら海外出張の日程も組んでいく。
「深山、今度の土曜日…」
「土曜日はフランス語講座の予定が入ってます」
「それが終わったら…」
「9時から13時まではフランス語、15時から17時までは韓国語、夜は三島会長と会食の予定です」
無理やり予定を入れてやった。
習うと言い出したのは本人だから言い返せまい。
「フランス語は深山に習おうかな」
「無理です、人に教えるほどの技量はありません」
「紗和〜」
「会社で呼ばないでってば」
今、廊下歩いてるんだよ?
どこで誰が聞いてるかわからないのに…緊張感なさ過ぎる。
「だって冷たいから」
「お迎えには参ります」
「その後は!?」
な、なに?そのめちゃくちゃ期待しまくりの顔……