代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉




「う……ん、紙一重ですが賭けてみますか」



お姉ちゃんの恋愛後押しする事になるなんて思ってもみなかったな。
限りなく可能性は低いけど……もう堀越社長の本気度に賭けるしかない。



「紗和ちゃんはしつこい響也に嫌気差さなかったの?」



「え……?あ、いや……」



答えに困っていたら副社長の手が腰に回る。



「ちょっと…!」



「嫌気差す前に心奪ってんだよ」



はぁ!?
自意識過剰…!!
腰に回った手を離し睨みつけるも不敵の笑みを浮かべてる。



「はい!時間です、美味しい紅茶を飲みながら商談してください」




給湯室から2人を追い出し仕事に戻る。
フゥ、とため息ひとつ。
気持ちを入れ替えてパソコンの前に座るも………痛いほど突き刺さる視線。
そ~っと隣を向くとニヤニヤしながら私を見ている秘書課の先輩方。



忘れてた、誤解されたままだったんだ。
今、労力使い切ったとこなんだけどな……仕方ない。
愛想笑いで誤魔化せる相手でもないしね。



「あの、本当に誤解ですから。私に対して言ってた訳じゃないので」


「いいのいいの!2人のイケメンから迫られる秘書……ドラマみたいでワクワクする」



どうしよう、妄想が過ぎる。
皆さん目がハートなんですけど?
ちょっと面倒くさいな……



「とにかく、誤解ですから」







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