代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
完全に呆れられてる。
俺はただタチの悪いクライアントに成り下がってるだけだ。
だけど悔しすぎて最後まで困らせてしまう結果に。
「このデートで…俺に満足してもらえたらプライベートの番号教えてもらえますか?」
こんな悪あがきでさえ想定内だったのか、諭すように乃亜さんは言い返す。
「例えどんな最悪なデートでも最後は楽しかったです、またデートしましょうね?って言うんですけど?」
ガーン…………………
そこまで明かさなくてもいいじゃんか。
逆に期待持たさないやり方なの?
テンション下がっていたら急に顔を近付けるもんだから急ピッチで心臓が跳び上がる。
「この私を本気で落とそうなんて百万年早いから」
セリフは辛めなのに優しく頬をつねる。
フフンと悪戯っぽい顔つきも俺にはどストライクで胸えぐられてんだけど?
その顔ヤバいでしょ。
「でもまぁ、私も最近若い子とデートとか久しぶりだから新鮮なんだけどね」とこぼす。
乃亜さん、デートする相手はもっぱら40代、50代の社長クラスばかりだそう。
勿論ルールに則ってのデートプランだけど必ずリピーターにさせる自信はあるって。
あれ?
もしかして、俺達似てる!?
自分に自信があって余裕ぶってるところ。
その自信を持て余して事業に目をつけちゃうところはやっぱり経営者肌なんだとつくづく思う。
ジッと見つめ合えば落とせる自信。
でもそれを覆す相手に出逢っちゃったら……何が何でも手に入れたいと思うでしょ。
だから乃亜さんも俺と近い感覚の持ち主な筈だ。
だったら真逆で攻めちゃえ…!!
と意気込んでデートに挑んだものの、ことごとく崩されたのは俺の方で…………無念。