堅物社長にグイグイ迫られてます
まさか本当に創立記念パーティー用のドレスをわざわざ買ってもらうことになるなんて。しかも一着十万は優に越えている。

これにさらにネックレスに靴も付けたらいったい総額いくらになるんだろう。考えるだけでこわい。

でも、私とは違って御子柴さんからしたら大した額ではないのかもしれない。

だからと言って私なんかのために高級ブランドのドレスを買ってもらうのはやっぱり申し訳ない気がするけれど。

「俺のわがままに付き合ってもらうお前へのプレゼントだ」

ふと御子柴さんの声が聞こえて顔を上げる。

「いらなかったら創立記念パーティーが終わった後にでも捨ててくれてかまわない」

「そんなっ!捨てるなんて」

そんなことできるわけない。

私は、近くの鏡に映る自分の姿をふと見つめた。

正直すごく気に入っている。デザインもかわいいし、サイズもぴったりで私の体にちょうどよくフィットしている。もうすぐ汐里の結婚式もあるし、このデザインのドレスならそのときにも着ていかれそうだ。

「ありがたく受け取ります」

私はそう答えて、御子柴さんにぺこりと頭を下げた。
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