堅物社長にグイグイ迫られてます
テーブルを挟んだ私の向かい側―――花の飾られた花瓶の置かれた床の間を背にして、御子柴さんのお父さんはあぐらをかいて腰を下ろす。
「まさか椿と君が知り合いだったとはな」
御子柴さんのお父さんに真正面から見つめられて私は思わず背筋が伸びる。こうして改めて近くから見ると御子柴さんに本当によく似ている。親子なんだから当たり前だけど、顔だけじゃなくて声や醸し出す雰囲気までそっくりだ。
「雛子ちゃんは私のことを助けてくれたのよね」
「いえ、私は」
椿さんの言葉に私は首を横に振る。助けただなんてそんな大したことはしていない。
「君の話というのはだいたい検討はついてる」
御子柴さんのお父さんが静かに口を開いた。
「悟が今のまま建築家の仕事を続けられるよう私を説得でもしに来たんだろ」
「はい。お父さんが御子柴設計事務所の仕事をなくしているって聞いたんですが、本当ですか?」
「ああ。本当だ」
御子柴さんのお父さんは深く頷く。
「悟はどうしてる?」
「御子柴さんは事務所を畳むと言っています」
「そうか。それはいいことだな」
その言葉に私は唇をぎゅっと噛み締める。
「お父さんは御子柴さんが設計した建物を見たことがありますか?」
「いや、ないな」
「それなら、これを見てください」
私は持ってきた紙袋から数冊のファイルを取り出すと机の上に並べた。それを先に手に取ったのは椿さんだった。
「あら!これもしかして悟が設計したのかしら?」
「はい。全部、御子柴さんのデザインです」
「まさか椿と君が知り合いだったとはな」
御子柴さんのお父さんに真正面から見つめられて私は思わず背筋が伸びる。こうして改めて近くから見ると御子柴さんに本当によく似ている。親子なんだから当たり前だけど、顔だけじゃなくて声や醸し出す雰囲気までそっくりだ。
「雛子ちゃんは私のことを助けてくれたのよね」
「いえ、私は」
椿さんの言葉に私は首を横に振る。助けただなんてそんな大したことはしていない。
「君の話というのはだいたい検討はついてる」
御子柴さんのお父さんが静かに口を開いた。
「悟が今のまま建築家の仕事を続けられるよう私を説得でもしに来たんだろ」
「はい。お父さんが御子柴設計事務所の仕事をなくしているって聞いたんですが、本当ですか?」
「ああ。本当だ」
御子柴さんのお父さんは深く頷く。
「悟はどうしてる?」
「御子柴さんは事務所を畳むと言っています」
「そうか。それはいいことだな」
その言葉に私は唇をぎゅっと噛み締める。
「お父さんは御子柴さんが設計した建物を見たことがありますか?」
「いや、ないな」
「それなら、これを見てください」
私は持ってきた紙袋から数冊のファイルを取り出すと机の上に並べた。それを先に手に取ったのは椿さんだった。
「あら!これもしかして悟が設計したのかしら?」
「はい。全部、御子柴さんのデザインです」