堅物社長にグイグイ迫られてます
私はゆっくりと息を吸い込むと、はぁと小さく吐き出した。それから昨夜の出来事を全て御子柴さんに打ち明ける。


「――――なるほどな。彼女と同棲中のアパートに堂々と他の女を連れ込んで浮気か。アホな男だな、お前の彼氏は」

私の話を全て聞き終えた御子柴さんが吐き捨てるようにそう言った。それに対してなぜか私は反論の言葉を口にしてしまう。

「俊君はアホなんかじゃないです。そんな言い方しないでください」

言いながら、どうして私は俊君を庇っているのだろうかと疑問が浮かぶ。

たしかに御子柴さんの言う通り俊君は私と一緒に暮らしているアパートに浮気相手を連れ込み堂々と浮気をしていたアホ彼氏なのに。

それでも庇ってしまうのは私がまだ俊君のことが好きだから?

もしかしたら昨日の出来事は全て夢なのでは、と心の隅で思っているから?

―――そんなことないのに。
私も相当なアホ女だ。

浮気をされてもまだ好きだなんて重症かもしれない。でも、七年も付き合った初めての彼氏のことをそう簡単に忘れることもできなくて。
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