🍓夫の溺愛(大学教授の場合。)
恵さんと一郎太は目線を絡ませ、
シートベルトを、はめて、

「じゃあ、出発するよ。
 忘れ物は無いね。」
一郎太が彼女に確認していた。
恵も目線を彼に投げて白い歯を
ほころばせ頷いた。

    「うん。」



そう言った時、美奈がツカツカと
歩み寄り10個入りの卵を
ボンネットに投げた。

ブォン =͟͟͞͞🥚🥚🥚
卵は黄色いトロトロな華を
咲かせベッタリと貼り付いた。

恵も一朗太も驚いた!


「美奈!」

一朗太が叫びながらドアを開けた。
次の瞬間!!
バシンと鈍い音がして美奈が倒れ
ていた。


恵が鬼のような顔をして美奈を
ワナワナと拳を握り見
つめている。

「いい加減にして!! あなた何なの、
 一朗太に近寄らないで
 邪魔しないで。」

一朗太は、ポカンとしていたが
美奈に駆け寄り抱き起こした。

「大丈夫か?」
美奈の瞳を覗き込み抱き抱えた。
美奈の頬は赤く腫れていた。

美奈は一朗太の腕を強く
はらいのけた。


「私家の鍵落としたの、
合い鍵かえして。」

何故か美奈はとっさに呟いた。
考えていたわけではないけど鍵の
回収に成功した。

「ああ´。:゚。分かった。」

 一朗太は、美奈のマンションの
合い鍵を慌てて内ポケット
から取り出して渡した 。

「一朗太どこ行くの?」
美奈は不思議な顔をする。
なんで2人で車に乗ってるのか
理解不能!!
恵に張り倒されたほほは
ズキンズキンと痛く
腫れ上がって来た。

グーでなぐられたのか?
  
 「京・・都だけど‥。」
一郎太は美奈の頬を見て

「病院いくか?」

その問いかけに返事をしない




「二人きりでいくの‥」




「う・・ん‥。」
一朗太が答えるそばから恵が声を
あらげて言った。

「当たり前じゃないの、
 みたらわかるでしょ
 デートなんだから!」

美奈は暫く動かなくて重たい
雰囲気がながれた。

「一朗太、行くの?」
美奈の様子から何かを感じた一朗太
は、「京都まで送ったらすぐ帰るよ。
待ってて!!」


「行くの?
新幹線で、良くない?」
恵はド頭に来て一郎太の背広を
グイグイ引っ張った。

「いきましょ。
 あなたふざけないで。
 いい加減にしなさいよ。
 アンタみたいな子供一朗太が
本気な訳ないじゃない。
 馬鹿なの!!

 車洗車しないと‥

 後から請求するから
 覚えてなさい。」



恵はまた車に乗って一朗太を呼んだ。
「いそぎましょう💢òωóバァン。
おそくなるから‥。💢」


恵に、追い立てられ
一朗太は、美奈を心配しつつも恵に
従おうとする。

「すぐ帰るから
 待ってて、な!!な!! 」


美奈が頷くと安心したように車を
走らせた。

駐車場に寝転び、ハアッとため息を
もらした。

彼女にはビト〇のバックかぁД
私には何も無いんだ!

ゴソゴソとポケットから離婚届を
出した。
暫く眺めていたが決心がついた。

あの時点で恵さんと私の勝負が
付いた。
一朗太は、私を置き去りにして恵
さんと出て行った。

自転車に戻り、散らかした卵を
テイシュで拭き取り、涙も出ないくらい、疲れていた。

自転車に乗り、のらりくらりと
40分の道のりを市役所へと向う
休みだし時間はある。


受付にポイと出した。
今度は簡単に楽チンに出せた。
ああ、又私達は他人になった。


一朗太のマンションへ行き私物を
まとめたと、言っても私のより恵
さんのものが沢山ある
あんまり来なかったから、脱ぎ捨てた
靴下ぐらいか、一応、置き手紙を
かいていると
携帯にメールが入った。

「ゴメン。
 ノンアルと言われ飲んだら普通に
酒だった。アルコールがキレて
から帰るよ。
 ゴメン。」


 アハハハハ

「計画通りじゃない。
 初めから分かってたってぇ~」
 あなたは、あの女と…

 離れられないのよ。
 何もかも手に取る様に分かる。
 バッカじゃねーの!!。

 帰る時は彼女も一緒よ。」

そう返信した。

次の朝、一朗太にメールした。


      一朗太様。
今日、市役所へ行き離婚届出し
無事受理されました。
あなたが私を置き去りにした
時点で恵さんと私の戦いは
終わりました。

あなたの部屋の鍵は郵送します。
疲れちゃったし。

さようなら!
もう会いにこないで、恵さんと
仲良く幸せになって下さい。

もうあなたをしんじれない。
      美奈。



  







     
















 















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