🍓夫の溺愛(大学教授の場合。)

ヤッパリ離婚は、確定

「いくら、関係無いとは言え…
 二人っきりで助手席に
乗せて走れば
 信用しろって方が難しいな。

 逆だったらどうだ?
 美奈ちゃんが他の男と長距離を
2人っきり
 ってお前許せるの?」

 「嫌、万が一にも
俺は裏切らない!!
  大丈夫だよ。」

「そうか。」
淳史はまだまだ修羅場が
待っていそうな雰囲気を感じた。

取りあえずリナのマンションへと
向かう。


エントランスから部屋番をおすと
エレベーターが下りてきた。

二人で乗り込み腕を組んだ

淳史と目が合う。
淳史は何も言わないが
言いたい事は良く分かった。

部屋の鍵で開けた。

「リナ、リナ。」
     
   「はーい。あつしぃ~。 」

リナは淳史に飛びついた。
フッと目が合いパッと離れた。

「あ、あれ?一朗太さん。
 迎えにきたの?
 美奈今ちょっと寝てるよ。
 起こそうか?」


「あ、ああ!ね…。」

 
淳史の入れたアイス珈琲をのみ
ながらリナが美奈を起こす様子を
気にしてる。

美奈はパッと起きると俺を探す。



頭が回らないまま歩き出して
いっものように俺に
負ぶさってきた。


目が完全にさめるまで
このような状態。

「ほらほーら!!美奈この指何本。」

リナが美奈のトロ~ンとした目を
見て目の前で指二本をチラチラさせる。


「に、にほ~ん。」


と一朗太に、負ぶさりながら
蚊の泣くような声でこたえた。
美奈は自分で起きるときは大丈夫。


しかし急に起こされる時は
寝ぼけてしまう。
長い付き合いのリナだからこそ
知っていたのだろう。


一朗太が美奈を自分の前に抱いて
珈琲を一口飲ませたら、
目が覚めてきたようだった。

「あれ?一朗太じゃん。」

「おう。迎えにきたから帰ろう。」

「うんっ!!」
ポカ~ンと呆れるリナは、淳史に

「夫婦喧嘩は犬も喰わないって
 ほんとやね~。」


「そうかな?」

淳史は仲良く帰る二人を見送り
ながら少しだけの心配はやはり
あのメールだ。


「美奈乗って。」
久しぶりの一朗太の助手席。
普段は恵さんの場所だ。
仕方なく後ろの席に乗る。

「前においで!!」
一朗太は不振な顔をしてる。

「だってそこは恵さんの
席でしょう。
 ゼ━━━━━ッタイ、ヤダ!! 」

「恵の席じゃないよ。
誰でも座ってるよ。」
 美奈が頑なに嫌がるので
そのまま出発する。

「子供じゃないんだから
 いい加減にしてくれ。」

 「じゃあ恵さんと別れてよ!」
美奈もついイラついて声が
高くなる。

「だからそんな関係じゃないよ!」
 一朗太も負けずと声をあらげる。

「私の事
愛してるんじゃなかったの?」

「愛してるよ。だから迎えに来たん
だろう!
 わからないの?」

二人はそれから一言も話さず
マンションまで帰ってきた。

「じゃあ帰るよ。」
不機嫌そうに呟く。


美奈を降ろすと一朗太は、車を出した。

関係は無いと言っても

取り合ってくれない。
そんなに信用無いのかと‥
ウンザリしてくる。
それにプレゼントも
ペアリングも車に乗せたままだ。



部屋に帰った美奈は、リナの事を
思い出していた。
「部屋も彼の病院の近くなの、
 すぐ会いにこれるようにって
 彼が借りてくれたんだ。」

嬉しそうに話すリナは淳史さんに
すごーく愛されてるのが
よくわかる。


そんな事を考えていたら
ヤッパリ一朗太に、
あいたくなった。


明日彼も休みのはずだ。
もう一度話し合って、
いい方法を考えよう。

朝ご飯は私がつくろう…。

美奈は朝早く目覚め

朝7時、24時間営業のスーパー
によって、鯵の開きと卵と牛乳と
野菜を買い込んで
チャリで夫のマンションへと向かう。



するとピンクのビト〇のバックを下
げて青い花柄のレースのブラウスと
茶色のロングスカートが可愛らしい
恵さんが前を歩いていた。

Tシャツとジーンズ姿の美奈は
一瞬自分の色気の無い姿と比べて
しまった。


暫くするとスーツ姿のカッコイイ
一朗太が小走りで出て来た。


「みて、一朗太がくれた
バック持って
きちゃったー♡」

ニコニコ顔の一朗太は、

   「よく似合ってるよ。
    可愛い!」


自転車にまたがり美奈が聞いてる
とも知らず一朗太は、笑っていた。

「誕生日プレゼントダモン。
 凄く嬉しい♡」

恵さんは、さも当たり前のように
助手席に座った。

それを見た一朗太は、苦笑いを
浮かべ

「いこうか!!」
< 37 / 60 >

この作品をシェア

pagetop