夏の終わりとアキノソラ

3

あれから、どうやって家に帰ってきたかわからない。気が付いたら私は自分の家のベッドの上で目が覚めた。


暗い。電気をつけて、時計をみると、午前1時をまわろうとしていた。かなり長い時間眠っていたのだとわかる。取り込みかけの洗濯物が、先程の喫茶店での出来事が夢でない事を物語っていた。


このまま、もう一度眠ってしまおう。何も考えたくない。

そう思って再び目を閉じたけれど、思うように眠りにつくことはできなかった。

ふと、自宅の電話をみる。留守電のマークが光っている。重い体を起こし、ゆっくりと立ち上がって電話まで歩いた。


深夜の空気は驚くほど冷たく、静かだった。


“用件一件”
点滅しているボタンを押す。

『用件一件です。』

ピーっ

『汐ちゃん?ふくすけの大将だけどよ、カズそっちにいったきり帰ってこねーんだ。行き先、しらねぇか?ったく、あいつは開店の時間なのにどこいっちまったんだい。しょーもねーな。』

『22時45分です。』
ピーピーピーピー


途中で切れてしまっていた。


カズ帰ってないんだ。どうしたんだろう。
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