君からのヘッドフォン
気づいてないふりすれば、怒られることも…


「気づいてるならこっち来いっ!

1回こっち向いてたのは知ってんだぞっ」


…ダメだった。

渋々ラケットを持ったまま、津田くんの元へ駆け寄る。


「ん、いい子。結構うまいんだな」

「まぁ、小学校の頃からしてるし」

「ふーん、で、栞帆」

「…何」

「何ってそっけないなぁ。

わかってるから避けようとしたんでしょ?」


覗き込むように私の目を見る津田くん。


「…わかってるなら、そのままほっといてくれればよかったのに」

「だーめ、1週間、俺期待して待ってたんだから」
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