君からのヘッドフォン
あぁもう、なんであいつはあんなに思わせぶりなんだよ…。


「和久…」


それでも、ボソボソと呟いてしまうのが乙女心とやつなのか。


ねぇ…そんなに思わせぶりな態度とってさ、どうしたいの、私のこと。本当に…。


それから、次に会うことになったのはちょうど1週間後だった。
練習が終わった後、夕方。

汗だくの私の視界に入ったのはニコニコと私を見つめている男だった。


今会ったら、名前を呼ばなきゃなんだよね?

…無視しよう。
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