君からのヘッドフォン
うちの家は母子家庭だった。

生まれた時から私にお父さんはいない…つまりは、お母さんは未婚なのだ。

お母さんが愛していた、私の父というのは、他の女に子どもを産ませたらしくそっちに行ってしまった。

言ってしまうと、お母さんは浮気相手だったということ。

それでもお母さんは、健気にまだその人のことが好きらしい。

たまに、駅で見かけて帰ってきた時は嬉しそうにその人との思い出の話をしてくれる。


私はお父さんには認知されていない。

お父さんの子ども、という事実はあるけど、それは事実でしかない。
< 148 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop