君からのヘッドフォン
女の子は泣きそうになりながら走り去ってしまった。

私は松下くんを見上げる。


「ありがと」

「…別に。和穂に行けって言われただけ。
したら、どこかに連れてかれるみたいだったから、ついてきた。

…俺のせいで、悪い」

「そ。

そう思ってるなら最初から助けて欲しかった」

「…わり、友達かと思った」


いるわけないじゃん、そんなの。

興味ないもん。


「…昼、もう食った?」

「まだだけど」

「…そ」


…何こいつ。はっきりしなさすぎでしょ。

なんか、じれったい。
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