君からのヘッドフォン
顔も、体も。

優しさの方向だって、みんなに向ける笑顔だって。

…私にだけ向ける笑顔も、全部。

彼とは違った。


結局、何年も前から好きだったくゆりさんは、今はただの彼を考えないための道具になってしまった。


私は、自分が思ってた以上に、弱い。


取り戻す気は無い。

なんなら捨ててしまいたいくらいのあのとき。

思い出にしてしまいたい。

あの時は、あんなことあったね、なんて。

また、彼と語り合える日が来て欲しい。


それが、私の一方的な気持ち。
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