犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
優しい笑顔を向けて俺にそう言ってくれるゴンさんにちょっと勇気づけられた。
「まぁ、俺が素直に気持ち伝えたらいいんだろうけど…。
タイミングも難しいし、今この避けられてる状況ではもう手の打ちようがなくて、困ってるんスよ。
守屋も頑固なとこあるし、たぶん割と話せるようになるまで時間かかりそうだし。
まぁ、アイツの気持ちが落ち着いたタイミングじゃねぇとまた混乱させるだけなんで、とりあえず待ってみます」
俺がそういうとゴンさんは頷きながら聞いてくれて、「君はイイ男だな。結菜ちゃんもきっといつか浅香くんの良さに気づくよ」と励ましてくれた。
それからほかの客に呼ばれたゴンさんは忙しそうにしてたから、俺はしっぽりと1人で飲みながら守屋のことを考えていた。
これからどうするかな〜。
とりあえずなんとか話せるようになんねぇと先に進めない。
社内旅行でなんとかするか…。
と少し心に決めて俺は家に帰った。