犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
やべぇー。やられた。
マジでどんだけ可愛んだよ。守屋。
絶妙に震えながら言うその声にせよ、俺の回した手にちょびっと触れるその手にせよ、色々と反則すぎる。
俺は少し言葉を失って、もう少し強くぎゅっと抱きしめた。
少し落ち着いてから、
「さんきゅ。お前に言われたらめちゃくちゃ嬉しい」
と言って、守屋の手からコーヒーをすっと奪って、「コーヒーもありがとな」とだけお礼を言うと給湯室をあとにした。
はぁ〜。あのまま一緒に居たら危険だ。
守屋の一つ一つの行動に胸を掴まれてプレゼンどころじゃなくなりそうだ。
俺はとりあえず淹れてもらったコーヒーを飲みながら、心を落ち着かせて、席に着いた。
「美味すぎ。」
守屋の淹れるコーヒーはやっぱ抜群に美味くて、心がなんとなく落ち着くような気がした。
そして、時間はあっという間に過ぎ、プレゼンになった。