星空の下、キミとの約束。

そのとき受けた手術を最後に、僕は手術をやめた。

理由は、鈴と同じようなことで。


「次、もしこんなことがあったら…」

「そうでなくても、手術中に少しでも容態が悪くなったら…」


お医者さんたちのそんな会話を聞いてしまったから。


「死ぬ」ということが酷く怖かった僕は、その恐怖から助かる道まで切り捨ててしまった。

そして受けた、余命宣告。


どうせ死ぬのなら、手術を受ければ良かったのかな。

上手くいかなくなって、ちょっと早くなるだけだったんじゃん。


中学生になっていた僕はそんなことも考えたけど、その頃の僕は酷く冷めた心しか持っていなくて。

泣き崩れる親や、目を潤ませる看護師さんを横目に、微かな笑みさえこぼしながら、現実を受け止めていた。
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