【短完】赤いチェックのスカートが翻った夏が来る。
「おじさん、今日は早く帰って来れんの?」

「うん。明日の朝が早いんだってさ。」

「へぇー、大変だなおじさんも。」

「ほんと、そうだと思うよ。」

あの人が出ていってからお父さんはおとこでひとつで私を育てるために朝から晩まで働いた。だから私もお父さんに迷惑をかけないように勉強も運動も頑張った。

「じゃあ今日はおじさんと2人で飯食うのか?」

「うん、そうなるね。久しぶりだな、ほんと。」

「良かったじゃねえか。」

「あっ、ごめんねぇ?神楽くん。私居ないと寂しいよねぇ?」

「うるせぇよ、由乃のアホが。」

いつもはお父さんが居ないから神楽の家で一緒にご飯を食べさせてもらっている。神楽のお母さんと一緒に料理を作って、食べて、後片付けをするのは楽しい。

< 5 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop