女嫌いのイジワル上司を攻略します!
「私。倉西さんが私の指導係として居てくれて、本当に幸せです。」
お世辞でもなんでもなく、ただ今の素直な気持ちを素直に言葉にすると、自然と感謝の気持ちが溢れた。
そんな私の言葉に少し照れくさそうに
「なんだお前。生意気」と私の肩に置いていた手をぐっと前に押して私をからかう倉西さんも素敵だと思う。
「倉西さん。ありがとうございます」
「フッ 生意気って言われて礼言うやつなんか、お前ぐらいだぞ?」
「いいんです。別に!」
そう言い合いながら2人で笑っていられる、この瞬間を私はずっと忘れたくないなって思った。
2人の笑いが自然に引いて、柔らかい空気が流れたあと、私の目をしっかり見た倉西さんは
「よくやったな、マコ。
お前のおかげで契約取れた。サンキュー」
と私か1番欲しかった言葉をくれた。
「倉西さん...。」
「ほら。乾杯」
私の涙でいっぱいの目を見て優しそうな顔をする倉西さんとグラスをカチャンと合わせる。
やっぱり倉西さんって素敵な男性だな…
そう思いながら、私は今の幸せをめいっぱい噛み締めることにした。