墜落的トキシック
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「美味し?」

「うんっ」


母さんのお墓参りを終えたあと。
小腹が空いた私たちは、カフェを訪れていた。


見た目にも可愛いプリンアラモードを頬張りながら頬を緩める私を、ハルは頬杖をつきながらじい、と眺めている。



「こんな店、あったんだね」



感心して呟いた。
お洒落な内装に、見ているだけでも満足できそうなメニューの数々。


どうやらここは、最近新しくできたカフェらしい。客層は見渡す限り、同世代の女の子。


ハルが連れて行ってくれるお店は、いつも私の好みのど真ん中。

いかにも女の子が好きそうな雰囲気のお店だけど、ハルはどうやってリサーチしているんだろうと毎回気になっている。



「花乃が好きそうだと思って」

「ハルはいつもそう言うね」



本当に?と首をかしげる。



「本当だよ」



ふ、と優しく笑ってハルはコーヒーをすすった。ホットのブラックコーヒー。

ハルがこういうカフェで頼むのはいつもそれだ。



「ね、ハルも食べる?」



スプーンでプリンをすくって差し出せば。



「じゃあ、ちょっとだけ」



ハルはそれをぱくりと口に含んだ。

ハルとは、何だって半分こだ。
何かを食べる時も、嬉しいことも……何でも。




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