墜落的トキシック
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結論から言うと、全然大丈夫ではなかった。
いけるかも、と調子に乗っていられたのは準備体操の間くらいだ。
9月とはいえ、まだ夏の余韻がくっきりと残る気候。
体育館の中にはこれでもかというくらい熱気が充満していて、それだけで、ぐらりと思考回路が揺らいだ。
それでもなんとか、立っていられたけれど。
授業も中盤を過ぎた頃、練習試合になって、ついに限界が来た。
「……っ」
ふらっと足元が揺れて、それからめまいがする。
飛んできたボールが、だぶって二重に見えた。
その辺りから意識が朦朧とし始めて────突如、ぐらりと視界が反転する。
あ、やばい。
そう思った時には大概もう遅い。
足がもつれて、すると急に力が抜けて。
────ドサッ
鈍い音とともに、体を体育館のフローリングに打ちつける。
その痛みで一瞬目が冴えた。
あー、麻美の言う通り今日は見学すればよかったかなあ、なんて冷静に考えたところで。
「花乃っ?」
麻美の焦った声がかすかに耳に届く。
心配そうな表情がぼんやりと見えて、『大丈夫』と伝えたかったのだけれど、声にならなかった。
まぶたが勝手に落ちて、また意識がどこかへふわりと浮く。
フローリングの床の感触がひんやりとして心地いい────そう、思ったタイミングで。
「こいつ、俺が連れて行きます」
こちらまで背筋が伸びそうなくらい、しゃんとした声。
意識が朦朧としている中でも、なぜか一言一句はっきり聞こえた。
もう覚えた、さすがに。
見なくてもわかる────侑吏くんの声。
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結論から言うと、全然大丈夫ではなかった。
いけるかも、と調子に乗っていられたのは準備体操の間くらいだ。
9月とはいえ、まだ夏の余韻がくっきりと残る気候。
体育館の中にはこれでもかというくらい熱気が充満していて、それだけで、ぐらりと思考回路が揺らいだ。
それでもなんとか、立っていられたけれど。
授業も中盤を過ぎた頃、練習試合になって、ついに限界が来た。
「……っ」
ふらっと足元が揺れて、それからめまいがする。
飛んできたボールが、だぶって二重に見えた。
その辺りから意識が朦朧とし始めて────突如、ぐらりと視界が反転する。
あ、やばい。
そう思った時には大概もう遅い。
足がもつれて、すると急に力が抜けて。
────ドサッ
鈍い音とともに、体を体育館のフローリングに打ちつける。
その痛みで一瞬目が冴えた。
あー、麻美の言う通り今日は見学すればよかったかなあ、なんて冷静に考えたところで。
「花乃っ?」
麻美の焦った声がかすかに耳に届く。
心配そうな表情がぼんやりと見えて、『大丈夫』と伝えたかったのだけれど、声にならなかった。
まぶたが勝手に落ちて、また意識がどこかへふわりと浮く。
フローリングの床の感触がひんやりとして心地いい────そう、思ったタイミングで。
「こいつ、俺が連れて行きます」
こちらまで背筋が伸びそうなくらい、しゃんとした声。
意識が朦朧としている中でも、なぜか一言一句はっきり聞こえた。
もう覚えた、さすがに。
見なくてもわかる────侑吏くんの声。