墜落的トキシック
「仲良いとか、ありえないの!! むしろ犬猿の仲というか!! 控えめに言っても大嫌いだし、顔も見たくない……」
うう、とうなだれながら
佐和くんの不敵な笑みを思い出して。
むすっと頬を膨らませていると。
「……へえ?」
ふいに落ちてきたハルの声が、私の心をざわわと波立てた。
ハルの声は包み込んでくれるような優しさを持っていて暖かい。
……はずなのに。
今、ハルの声に撫でられた心が、ひやりと温度を下げた気がして目を見張った。
「ハル……?」
少しの焦燥とともに名前を呼ぶ。
顔をハルの方へ向けると、図らずとも目が合った。
……あれ、いつも通りのハルだ。
なんだ、さっきのは────気のせいか。
せっかく絡んだ視線を解くのが惜しくて、じっと見つめ合ったままでいると、そのあとすぐにハルの方から逸らされて。
くす、と小さな笑い声がきこえる。
「……?」
首を傾げると、ハルは目を伏せて。
「いや、花乃が誰かのことをそんな風に言うの、珍しいなーって思っただけ」