墜落的トキシック


本格的な夏の到来はまだとはいえ、五月晴れの威力はなかなかあなどれない。



じりじりと照り付ける日差しが肌を焦がしていくのがわかる。

……もっとちゃんと、日焼け止めを塗ってくるべきだったかも、と少し後悔した。




そんなこんなで清掃開始。




まずは、プールサイドやプールの中に落ちている大きめのゴミを拾うことから。


ほとんどが落ち葉か小枝で、珍しいものではどこから入り込んだのかテニスボールなんかも落ちていた。



目につくゴミを拾い終えたところで、デッキブラシに持ち替えて。




ここからが本番。

ホースで水を撒きながら、床や壁を緑色にしている藻をブラシで削いでいく。



これが、なかなか根気のいる作業で。




汚れ自体は思っていたよりはしつこくなくて、磨けばするんと落ちてくれるのだけれど、なにせプールは広い。



縦に25メートル、それが8レーン分。




今のテンポで進めていると、いったい終わるのは何時になるのだろうか。

既に太陽は西に傾きかけている。





……やっぱり、できるだけ早く終わらせたいなあ。



試しに、小走りで磨いてみることにした。





「……っ!」




これはいける。



跳ねる水しぶきさえ気にしなければ、良い感じ。

濡れてしまうのはこの際、もう諦めよう。





小走りで前進しているうちに、ちょっと欲が出てくる。


もう少しスピードを上げれば、すぐに終わるかも?




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