スパークリング・ハニー


ここまで無反応だと、だんだん嗜虐心が湧いてくる。


俺のタオルの上でふにゃっと柔らかそうに崩れている、白い頬。

触れたい、と衝動のままに腕を伸ばした。
つん、と指先で触れてみる。



「……柔らか」



こんな感じなの?



想像よりずっと柔らかくて。白くて、まるくて、餅みたい。

眠っていて体温が上がっているのか、てっぺんのところが淡いピンクに染まっていて、それがすげー破壊力。


一度指先を沈めると、なんかハマってしまって、ふにふにと弄んでいると。



「……ん、むー……」



やばい、起こした?

慌てて確認するも、瑞沢はまだ固く目を閉じていて、すやすやと眠りの中にいた。


なんだ、寝言か。

と油断したのがよくなかった。爆弾はそのすぐあとに落とされる。



「……ひ、く……」

「うん?」

「あさ……ひく……ん」



え。

耳に届いた文字の連続に目を見開くと、見計らったように、瑞沢の少し開いた唇の隙間から。




「……朝陽、くん」

「……!」




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