スパークリング・ハニー


そのままみんなと他愛ない話で盛り上がっていると、ふいに教室のどこかから楽しげな笑い声が聞こえてくる。



「朝陽、今度の試合スタメンで出るんだって?」

「ぜってー応援行くわ!」

「調子のってたら外されるけどね」

「はは、小森さんさすが鬼マネ」



こもりんを含めたたくさんのクラスメイトが囲む、そのまんなかにいるのは篠宮くん。

話題も篠宮くんのことでもちきりだ。



そして、みんながみんな笑顔なの。
その様子に、私までつられて、ふふ、と笑みがこぼれる。


すると、たまちゃんが「どしたの?」と不思議そうに首を傾げるから、慌ててごまかした。




────朝陽という、その名にふさわしいひと。


篠宮くんが現れるだけで、その場にいるだけで、あたりがぱっと明るくなるの。

なにか特別なことをしなくても、みんなを笑顔にすることができる。



まるで、朝いちばんに、暗闇の中にあらわれて、世界をあかるく染めていく、太陽のようなひと。

あかるくて、あたたかい、唯一無二の存在なの。






< 17 / 299 >

この作品をシェア

pagetop