スパークリング・ハニー


「えええっ、そういうのってありなの!?」

「かわいーでしょ」


「かわいいっていうか……ええと、ここにないやつだよね!? 草というか……雑草というか……かわいいけど!」

「ここにあるやつしかだめとは言われてないしー」



なんて、夫婦漫才みたいな仲良さげなやりとり。

気になって、私もこもりんの方を覗きに行く。



「これって、カタバミ?」

「そ。みなみ、大正解」



こもりんがにやりと笑う。

カタバミ、道端に咲く小さな黄色い花。
ハートの形の葉っぱをつけているのが特徴的だ。



「んんん、真紅のバラとかにしてくれてもよかったんだよ?」

「寝言は寝て言ってくれる?」


「こもりんがひどい……!」

「だって、光莉はバラって柄じゃないでしょうが」

「……たしかにそうかも」



最終的に納得してしまうところがひかちゃんだ。


そして、今度はこもりんが描いた可憐なカタバミの絵ににこにこしている。そういうところもひかちゃんだなあと思う。



実際、こもりんがひかちゃんにカタバミの花をあてたのは、かなり的を射ていると思ったよ、私。



< 278 / 299 >

この作品をシェア

pagetop