スパークリング・ハニー
お世辞とかその場しのぎとかじゃない、真面目なトーンで告げられて。
私のいいところ?
もっと他に?
とぐるぐる考える羽目になった。
百面相しながら、うーん、とうなる私の様子に篠宮くんはちょっと笑って。
「わかんないんだ」
「わからないよっ」
「そっか」
くす、と小さく笑い声。
「瑞沢にはいっぱいいいところがあるよ」
「……っ」
「だから話してみたかった」
あのね、私ね、ひとつだけ決めていることがある。
篠宮くんに憧れている。
だけど、それを、絶対に取り違えたりしない。
────恋にはしない。
誰彼かまわず期待させてしまうようなひと、だけど私は期待なんかしないよ。
期待はしないまま、嬉しかった言葉だけを、そのまんま宝物にしたいの。