無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
夏向が学校に来ているのか、何をしてるのか全く知らない。
クラスが違うからなおさら。
こちらからキッパリ関係を切るはずだったから、これでいいのに。
心の片隅で、まだ夏向に執着してる気持ちがあるのが嫌……ほんとに嫌。
「木咲くんに会いたい?」
「別に……会いたくないですよ。ていうか、そんなこといちいち聞かないでください」
夏向の話ばかりしていたら、それこそいきなり現れそうでこわい。
噂をすれば出てきそうだし。
「へぇ〜、意外とさっぱりしてるんだね
……って、あー噂をすれば」
佑都先輩の声に反応して前をしっかり見てみれば、今わたしが1番会いたくない人がこちらに向かって歩いてくる。
相手との距離は表情が少し見えるほど。
その距離がどんどん縮まっていく。
どんどん近づいて、相手の……
夏向の表情がはっきり見えてくる。
相変わらず、冷めたような瞳と表情をしている。