無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「風邪……移るから」


なんともごまかしにしかすぎない言い訳しか思いつかない。


次こそ迫られても阻止できるよう、シーツを自分の唇にかぶせて、顔の上半分だけ出して見つめる。



「……ふーん。

じゃあそれならいいじゃん」


シーツ1枚越しに、

グッと唇が押し付けられた。



「ちょっ……」

すぐにわたしが押し返したから、
離れることができた。



「それだけ抵抗できる力あれば大丈夫でしょ」


そう言うと、わたしの上からどき、
再びベッドのそばに座った。



「しばらく寝てたら?身体触ったら熱いし」

「…………」


「まだそばにいてあげるから」

「っ……」


まるでわたしの心をすべて読んでいるみたい。


この前の冷たい夏向は幻だったんだろうかと思うくらい、今はとびきり優しい。



「なんで……わたしのこと嫌いなくせに、

そんなふうに優しくするの……」

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