無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
心臓が強くドクッと音を立てて、
顔がどんどん赤くなっていく。
単純……。
夏向のたったひとことで、心拍数は簡単に上がって、顔も火照ってきて。
ずるい……本当にずるい。
上げたり、落としたり。
まるでわたしをうまく揺さぶっているみたい。
どんなに嫌われたって、
いちばんになれなくたって……、
夏向が他の女の子を見ていたって……。
結局わたしの気持ちは、あっけなく夏向のほうへと転んでしまう。
手放すはずだったのに……。
そう簡単にはいかなかった。
すると、夏向が急にブランコから立ち上がり、わたしの前に立った。
そして、わたしの両頬を両手で優しく包み込むように触れながら、顔を上げられた。
暗いはずなのに、月明かりがわたしの真っ赤な顔を照らしてしまう。
「……顔、赤いよ」
「み、見ないで……っ」
「やだよ、もっと見せて」
「っ、」